トランプ米大統領が「パリ協定」離脱を表明したのに真っ向から反対し、米カリフォルニア州知事らが12日、気候変動に対応するよう呼びかける新たなイニシアティブ「アメリカズプレッジ」(アメリカの公約)を発表した。(寺町 幸枝:オルタナ/Sustainable Brands Japan) 昨年末から複数の州知事や市長、企業らが参画している「ウィー・アー・スティル・イン」(We Are Still In)宣言の流れに沿った動きだ。米国における温暖化ガス削減のための具体的な施策や成果を、報告書作成を通じて国際社会に表明する。 7月7-8日にかけて独ハンブルグで開催されたG20サミットでは、米国を除く各国代表者らが環境問題対策で「パリ協定」への取り組みをさらに前進させることに合意した。これを受け、ブラウン知事とブルームバーグ前ニューヨーク市長が主導し、政府の動きとは別に、環境対策を推進することを改めて宣言した形となった。 公約の宣言にあたり、ブルームバーグ前市長は「温室効果ガス排出量の上限については、政府よりも、市や州、企業が独自に設けており、各自の利益を考えた上で行動を取っている」とし、「温室効果ガス排出量の削減は、経済的にも国民の健康を考えた上でもメリットが大きい」と明言した。 この取り組みは、昨年12月、パリ協定で米国が最初に削減すると約束した温室効果ガスの排出量削減を目指す連携「ウィー・アー・スティル・イン」に賛同した227の市と郡及びカリフォリニア州やニューヨーク州をはじめとした9つの州と1500を超えるビジネスリーダーや投資家とともに進められる。 ニューヨークタイムズ紙の取材に対して、ブルームバーグ氏は下記の通り答えた。 「米国政府はパリ協定から離脱したかもしれないが、米国社会はパリ協定で約束した目標に変わらず取り組むことを宣言する。2025年までに26-28%の温暖化ガス排出を削減するために、これまでの倍以上の努力を重ねる所存だ」と語った。 この公約は、米国社会がパリ協定へのコミットメントに関する具体的な施策、特に地方自治体レベルにおいて指標になるとされている。
Sustainable Brands Japan ニュース記事 7月18日(火)配信 これまで環境対策でリーダーシップを発揮してきた米国が、政府の指針変更によって真逆の結果を招くわけではないと、強く国際社会に向けて示す動きだ。